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平成30年1月 人を育てる年にしたいと思います

新年、あけましておめでとうございます。
平成も30年と言う新たな年を迎えることになりました。
この場を借りていつもお世話になっている全てのお取引先の皆様と、共に経営を学ぶ中小企業家同友会会員の皆様に改めてお礼を申し上げます。

当社は今春、新たな仲間を迎え入れ、全てのお取引先の皆様方の事業の発展と地域の発展に貢献して行きます。
小さな企業の小さな一歩ではありますが、今まで培って来た信用を基に皆様方の期待に応えて行く所存ですので、本年も宜しくお願い致します。


習慣を変えることは難しいのか?

あまりにもフェイスブックが手軽すぎて、ブログの位置づけが自分でも分からなくなっています。もう半年以上もご無沙汰していましたが、これはブログじゃないと書けないと思い久しぶりの投稿です。

人間には生活習慣病と言うものがあります。厚生労働省によると「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義されています。

農業資材販売の仕事に長年携わって来て、つくづく農業の世界にもこの習慣病というものが蔓延っていると痛感します。
人間の病気とは少し違いますが過去の習慣に捉われ肥料、農薬、飼料を適正に減らすことが出来ないという病気です。

もちろん、むやみに肥料、農薬、飼料を減らせと言っている訳ではありません。現代の農業生産に於いてはどれも必要不可欠な資材であることは間違いないのですが、適正以上の使用が病気の発生や事故を招いていることに未だに気づいていない農業者が意外と多いのです。

もはやこれらの資材を多投入して時代のニーズが求める品質が高い作物や畜産物を作れる環境では無くなりました。ある一定以上の世代の方たちは特に適正量に減らすことにアレルギーを起こすようです。化学肥料や農薬、除草剤の効果を最大限に享受してきたのでしょう。
残念ながらこの世代の方たちは説明しても全くと言って良いほど聞き入れてくれない人もいます。

米国の離脱によりTPPが事実上決裂したものの、FTAと言うより厳しい二国間交渉が待ち受ける中、習慣を変えて行かないと経営の死が待ち受けているかも知れません。

 


11月12日 今年の天気に思うこと

約5ヶ月ぶりのブログ更進になりました。前回6月の書き込みでは既に今年の未曾有の天候の兆候が現れていたようです。その後7月に入っても降雨と日照不足が続き、決定的だったのが8月に入ってから連続して3つの台風が十勝地方直撃と言う観測史上初の出来事で国道と鉄路が寸断され、未だに道央圏とのパイプは道東道だけという状況が続いています。
連続上陸した台風による大雨で十勝西部を中心に川の氾濫による畑の流失などは単年度だけの損失では終わりそうにありません。早急な国による災害復旧回復が望まれる所です。

私がここ十勝で農業に関わる事業を始めて30年、このような災害は記憶にありません。しかもここ20年近くは作目ごとの出来不出来こそあれ、凶作という言葉など殆ど忘れられていたのでは無いでしょうか。
そして昨年の史上最高の豊作から一転、農業とは天候相手の仕事なのだと言う事を改めて思い知らされる年となりました。そして平年より早い降雪でまだ畑には未収穫の作物も残されています。

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しかしそんな厳しい気象条件下、先日ある取引先の農家の方が凶作を経験したことの無い息子達にとっては身体で体験する貴重な年だったと言う話をされたのが記憶に残りました。

確かに天候は人間の力ではどうすることも出来ない事があります。しかしながら近年の品種改良や栽培管理技術は昔とは比較にならないほどの進化があります。そしてどんなに時代が変わろうとも農業の基本は「土作り」しかありません。これで農業を辞める訳では無いのですから。
「天災は忘れた頃にやって来る」この言葉を胸に来年の営農へ向け、今、何を行わなければいけないのか考える農閑期になりそうです。


6月20日 後継者育成・人材育成

 

今年の天気は一体どうなってしまったのでしょうか。真夏日が4日連続で記録的な暑さとなった5月から一転、6月に入りぐずついた天気が続き、気温も低く週間予報を見てもお日様のマークも無く、収穫時期を迎えた一番牧草、開花受粉時期を迎えた小麦など農家の皆様のため息が聞こえてきます。

今や、会員数が180名の大所帯となった同友会とかち支部農業経営部会、全ての会員のニーズに答えるべく、今年度より13のグループに分け、より学びを深めることになりました。

私はその中の一つ「後継者育成・人材育成」グループのリーダーを任命され、先日、初めての例会を開催しました。

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農業の法人化や雇用の導入など、組織的経営においては農業だからと言う言い訳は出来ません。
異業種の学びあう同友会だからこそと言うことで同友会とかち支部の大先輩経営者である㈱平和園の新田会長をお迎えして今日までの道のり、経営者としての心構え、社長業とはと多岐に渡り熱く語って頂きました。

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消費者の声を聴くために、十勝の原料作物生産を止め野菜生産に転換した芽室町の㈱ファームミリオン菊地社長、上士幌町で大規模な酪農経営を営む村上さんから、話題提供を頂きました。

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参加した会員からも活発な質問も寄せられ、少人数ならではの有意義な例会を行うことが出来たのではないかと思います。
今後も異業種から学ぶ経営をテーマに第二回目を開催する予定です。


4月17日 事業承継を考える

自分がブログをやっていた事など忘れてしまうくらいの、ほぼ4ヶ月ぶりの書き込みになります。FBは毎日マメに書き込んでるんですが、どうもブログとなるとかしこまってしまい、キーボードを打つ指先が思うように動きませんね。そんな訳ですが、季節もいつの間にか春になり当社も40期がスタートしました。

農業の”農”の字くらいは知っていますが、作物や家畜のこと、同じ北海道に住んでいながら全く知らなかった十勝へ来て早いもので32年の時間が経過しました。

お蔭様で、この地で事業を継続し家族を養い、また子供達の教育も何とか無事に終えることが出来たのも当社の事業を支えて頂いたお客様、仕入先を始め、全てのお取引様があってのことです。

農業関連の仕事をしていて「農業後継者問題」と言うワードがよく出て来ます。実はこの後継者問題と言うのは決して農業だけの問題ではなく、我々のような中小、いや零細企業においても深刻な問題なのです。

農業も中小企業も息子が跡を継ぐと言うパターンが大半です。どんなに時代が変わってもこの事業承継はそう大きくは変わらないと思われます。
ただ職業の選択肢が増え個人の価値観が多様化する中で、たとえ親子であっても強制が出来る時代では無く、時代の変化を的確に捉える経営力を待たないと企業や農業だって生き延びていくことは不可能な時代です。
実際に経営を引き継がなかった方が、幸福ではないかと思われるような事例も見て来ました。

我が家にも息子が一人居るのですが、本人は学生時代から明確な目標を持っており(ある面、親としては喜ばしい事でもありますが)現在、目標だった職業に就く事が出来ました。
私は少なくともその時点で、この会社を持続させ行く為の事を以前から考えていましたので、昨年、同業者間で(そちらも後継者が居ない)事業統合を行い、第三者にこの事業を引き継がせる準備を始めました。

お互い永年に渡り農業生産現場で生きて来た者同士、固定したお客様に今まで同様、いや、今まで以上のサービスを提供すべく、現在しっかりとした経営指針を作成し、行って来た魅力ある事業を引き継いで行ける人材を発掘し、育てて行く準備を進めています。

私は、今年で54歳、事業統合を行い専務に就任して頂いた人間は60歳を過ぎていますので、残された時間はそう多くはありませんが、事業後継者を育てる40期がスタートしました。

 


12月30日 今年の1年はゴールドアクターが締めてくれました!

2015年の仕事も無事今日で終了しました。全てのお取引先の皆様に感謝を申し上げます。

今年は当社においても、私個人的にも様々なことがあった年になりました。
怪我により、人生初の手術入院。取引先の皆様には大変ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。
また10月には事業統合を行い新たな役員を招き入れることになりました。
今後とも地域の基幹産業に少しでも貢献できるよう精進して参ります。

そして今年の最後にビッグな出来事が待っていました。
前回のブログ上で紹介した「ゴールドアクター」が有馬記念を制しました。
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全く可能性が無かった訳では無いですが、本当に勝つことが出来たとは未だに信じられません。
丈夫な骨格を持つ馬を作ろうということで始まった「ボーンエース」の競走馬への使用が
このような最高の形で締めくくることが出来、様々なことがありましたがやはりこの仕事を
やっていて本当に良かったと思います。
来年は新たな事業を立ち上げる計画もありますます忙しい年になりそうです。

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もちろん、応援馬券も購入しました!


12月12日 ”祝”「ゴールドアクター」有馬記念出走

10月に当社では事業統合を行い新たに役員を招き入れ取引先への挨拶や登記変更などで慌しい日々を過ごしブログも2ヶ月ぶりの更進になってしまいました。

さて、当社取り扱いの「ボーンエース」は、競走馬向けにも販売を行っていますが、今月末に中山競馬場で開催される「第60回有馬記念」に当社取引先の競走馬飼料販売会社の会長で新冠町にある生産牧場(有)北勝ファームのオーナーでもある居城要氏が馬主を努める「ゴールドアクター」が出走することになりました。骨を原料に作られているカルシウムだからこそ、丈夫な骨格を作るにはよいはずだと、十数年前から(有)北勝ファームさんの繁殖馬から給与を始め現在まで至りました。
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血統の世界といわれる競馬界の中で、名も無き小さな生産牧場の名も無き繁殖馬から生産された「ゴールドアクター」先月、開催されたGⅡレース「アルゼンチン共和国杯」で一番人気で見事に期待に応え、晴れて今回の有馬記念ファン投票で出走権獲得しました。ファン投票を頂いた競馬ファンに感謝です。
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小さな生産牧場の大きな挑戦に声援を宜しくお願いします。


10月7日 TPP交渉が大筋合意に関して小放言

10月に入り、昨日は帯広市内で初霜が観測されました。季節は確実に晩秋へと向かっているようです。

民主党政権下において、突然浮上してきたこのTPP(おそらく自民党だろうが、民主党だろうが与党としては参加表明、対して野党は反対だったんだろうけど思いますけどね。)これ見れば一目瞭然です。

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一番お怒りになっているのは某農業関連団体の皆さんだと思いますね。(笑)

農業関連の仕事をしている私がこんな事書くとお叱りを受けるかも知れませんが、実は私はTPPなんてどうでも良いと思っているんです。どうでも良いと言うより、根本的にこのTPPにより国内の雇用を創出させようと目論む米国とその言いなりになる日本政府の行動が気に入らないんです。

TPPなんて所詮、多国籍企業が自分達の都合の良い経済圏を作るための口実に過ぎないと思うんですね。それが安い食料が購入出来る様になるとか、人々の生活がより豊かになるなんて綺麗事並べてますけど、より格差社会が拡がるだけのことでしょう。

もっとも農業関連の仕事をしているからと言って、現在の日本農業を手厚く守れなどとヤボな事を言うつもりもありません。残念ながら現代は戦後の食糧難の時代、今日明日生きるために食べた時代ではもう無いのです。作れば売れた時代では無いのです。カロリーベースの食糧自給率40%前後にどれほどの日本国民が危機意識を抱いているのでしょうか。低食糧自給率を謳い文句に国からお金を引っ張り出した農業のお役所が今までどれほどの補助金をバラまき、どれだけ日本の農業が強くなり将来に夢と希望を持つ後継者が育ったのでしょうか。過去のGATTウルグアイラウンド対策にバラ撒かれた6兆円を超えるお金はどれほど日本農業強くしたのですか。日本の農業は競争力が無くて弱い存在だから補助金が無いとやっていけないと言う都市伝説(地方伝説?)は誰のための物ですか。

政府の言う国内対策に万全を期すなんて言葉にはあまり大きな期待は寄せない方が良いでしょうね。ウソばかり付く政権は当てにしないように自分の進む道は自分で責任を持って進むしかないですね。自分の若しくは自分達が作った農産物(商品)をどこの誰が買ってくれるのか。もちろん輸出だってその選択肢だと思います。

いずれにせよ、これから数年後にはこの協定参加良否の答えが出るのでしょうけど!

 

 

 

 

 

 

 


9月2日 牛が草地を作る

本格的な収穫期の9月に入りました。まだ最終的な数字は出ていませんが既に終了した秋撒き小麦は十勝管内においては過去最高の収穫量になりそうです。実の量に比例して逼迫していた家畜の敷き料となる小麦わらもとりあえずはかなりの量が確保出来たようですね。

さて、今年は国連が制定した「国際土壌年」安定的な食料生産やそれに基づく貧困撲滅など我々のような一次産業に直接関わる者はもちろんのこと、社会経済的にも土壌について考えることはとても重要な問題なんですね。

そんな中、先日当社の取引先でもある上士幌町(有)十勝しんむら牧場さんにおいて「TheEarthCafe」国際土壌年企画「土と草と牛と」が開催されたので参加してきました。

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新村社長より牧場の概要説明の後、草地へ移動し帯広畜産大学の谷先生、㈱ズコーシャの丹羽農業技術士よりこの地の土壌の生い立ちの説明を受け、その後草地がどのように変化して行ったのかレクチャーを受けました。

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新村社長が牧場経営に携わるようになり放牧酪農を取り入れてほぼ20年、正確な土壌診断による肥培管理の結果、草の嗜好性の向上や土壌におけるミミズを始めとする小動物や微生物の多様化など明らかに草地に変化が出て来ました。

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特に興味深かったのがこの放牧地、決して人間が機械的に草地の維持管理を行った訳でもなく、俗に言う草地更進なども行わなくとも、ルートマットが殆ど形成されていなく、谷先生も驚いていたのが表層から80センチ程度まで牧草の根が下りていることでした。通常は30センチ程度しか牧草の根は下りないと言われていますのでこの放牧地が如何に生産性の高い草地になっているかと言うことがよく理解できます。

「ミルクジャム」で有名な(有)しんむら牧場さんですが、原料となる良質な生乳生産はこの草地と牧草が支えているんですね。正しくこれこそが「牛が作る草地」です。

 


8月5日 法人化は農業の生き残りの目的ではない

いつの間にか8月に入ってしまいました。十勝管内では秋撒き小麦の収穫作業も殆どの地域で終わったようです。今年の収穫量は近年に無く良好のようです。公的機関の経営調査によると十勝の農産物の中で一番収益性が低いと言われる小麦ですが、果たして今年の収支はどんな結果になるのでしょうか。

先日、民間の調査機関から昨年度北海道内の農業法人の休・廃業の実態調査の結果がリリースされました。それによると、この調査を始めてから過去2番目の廃業の多さであるそうです。

これからの農業が生き残って行くためには、規模の拡大、6次化、法人化などと言われますが、果たして本当でしょうか。もちろん、それも一つの手段であることに異論はありません。

それでは生き残り策の一つである法人化でなぜ廃業が増えるのでしょう。またスケールメリットを追求し規模拡大を行った酪農家がなぜ経費の上昇に伴い経営状態が厳しくなるのでしょうか。

取引先の果樹農家さんが、農水省を訪問した際、今後法人化出来ない農家はブラック企業と言われ憤慨されていました。日本の農業の方向性を定めるお役所が何も現場の実態を分っていないことが改めて露呈しました。

一般社会においては法人イコール会社・企業です。農業の特殊性はあっても会社に特殊性はありません。企業としての社会的責任やコンプライアンスもより一層求められるのです。
会社になったから、家畜が健康になりますか。作物の収穫量が上がりますか。法人化に伴い雇用を導入すると人事管理・労務管理に始まり様々な会社としての仕組みつくりが求められるのです。また働きに来た人たちが意欲を持って働ける職場作りになっていますか。

もちろん、これらの条件を立派に満たしている農業法人があるのも事実です。しかしながら全ての農家が法人化になることは出来ますか。法人化しなくて安心して農業に取り組むことが出来ることこそ農政の役割ではないでしょうか。全ての農家が真の法人化になった暁には農家はブラック企業などとのたまわった農水職員は、いの一番に職場を失うでしょうね。

何度も書きますが、法人化はあくまで手段であって目的では無いのです。また名実ともに法人を目指すのであれば法人経営のための勉強もしなければいけません。その覚悟無くして法人を目指しても明るい未来は無いと私は考えます。

 


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