Archive for the ‘農業機械’ Category
11月30日 大型化による弊害?
今日で11月も終わります。明日から師走、慌しい1ヶ月の始まりです。
ほとんどの農家さんの外の作業は終わり、作業機械などの冬眠の準備に入っているようです。日本の首相がTPPへの協議参加を表明したことにより今年の冬はいつもと違う冬になるかもしれません。原則として関税撤廃を前提とした交渉がどのようになるのかわかりませんが、特別なことはしないまでも、今まで良いとはわかっていてもなかなか出来なかった基本的なことを見直してみる必要がありそうです。
その一つであろうと思われるのが、最近の機械の大型化による畑への負荷の問題があると思います。
今年、各地で発生したデントコーンの根腐れの原因のひとつとされているのが、畑の排水性の問題、特にデントコーンは連作する畑が多く、収穫作業もコントラクターなどを利用しかなりの重量の自走式のハーベスターや、それを積載する大型ダンプカーなどが何度も畑の中を走り回ります。特に最近の気象傾向では一度雨が降り始めると、期間、一回当たりの降水量が増加傾向にあり、排水が追いつかないといった状況が起きているようです。
牧草地などでも大型のスラリー散布機や自走式の大型モアコンなどの利用により、昔から見るとかなりの踏圧負荷が掛かっているものと思われます。様々な機械の大型化によって効率的に作業が行われて反面、畑の締まりといった基本的な管理をもう一度見直す必要性があります。
先日、ある酪農家さんが一言、言っていました。「今まで、あまりにも何もしてこなかった」と。
8月3日 グッドアイディア!
8月に入りましたが、各地の畑ではそろそろ雨が欲しいようです。局地的には強い雨が降っているところもあるようですが、しばらく土に染み込むような降雨がありません。すっかり干ばつ傾向です。最も「干ばつに凶作なし」とも言われますが。
原発の影響による肉牛の出荷停止県がまた増えました。いつまでこの措置が続くのでしょうか。業界人としても何ともやりきれない気持ちです。その影響でしょうが日本最大の黒毛和牛の飼養頭数を誇る「安愚楽牧場」が経営危機に陥っている様子です。
宮崎県で発生した口蹄疫のときも1万頭を越える牛を殺処分するなど他にもいろいろな噂も絶えない会社でしたが、今回の原発事故の影響でいよいよ資金繰りが行き詰まったようです。
十勝管内にも直営の牧場が数箇所あり、敷き料や牧草の納入などでの取引先もあり関連業界への影響もあるでしょう。今後の和牛相場へどのような影響が出るのかもまだわからないようですが。
和牛の預託商法として全国に3万人を越える人がこのシステムに投資をしていたようですがリスクのある投資ですから、これは仕方ないですね。ちょっと普通の牧場とは違うところですから!
ほとんどの酪農家では一番牧草の収穫が終わっているようです。牧草の収穫といえば昔は乾草としての収穫が中心でしたが、現在はロールパックサイレージや多頭化に伴う飼養形態の変化に伴い、牧草を細断しバンカーサイロに詰め込む切込みが主流になってきています。
そんな中、浦幌町の玉置牧場さんでは今年から新兵器が活躍しています。
これって何だかわかりますか?
実はこうして使います。
バンカーサイロに牧草を切り込んだ後、サイレージ化を促すためにシートを掛け、さらにその上から土などをかけるのですが、土だとサイレージを取り出すときや冬など掛けた土が凍ってサイレージを取り出すのに一苦労します。
そこでトラックなどの廃タイヤを敷き詰めるのですが、大型のトラックのタイヤともなると一つ数十キロにもなり、夏の炎天下の牧草の切り込み時期にこの作業を人手でやると、相当な重労働になります。
この重労働を何とか機械で出来ないものかと玉置さんは地元の鉄工所と共同で何度も試行錯誤を繰り返しながら、この「タイヤ積み機」(正式な名前はまだありませんが)を完成させました。
これって商品化できるんじゃないですかね。
11月12日 今年の冬初めての?
尖閣諸島沖中国漁船衝突映像の流出で海上保安官が取調べを受けています。警視庁は地検と協議し逮捕の可否について慎重に判断するとのことですが、このところいろいろと問題視される検察がどのような判断をするのか注目です。沖縄の検察が日中関係の安定のためにという理由で中国人船長を釈放したのですから、日本国民の知る権利を行使したなどの理由で逮捕しなかったら?んな訳にはならんでしょうね。
ところでどうも保安官というと胸に星型のバッジをつけている西部劇のイメージが抜けないのは・・・私だけ?
暑かった夏が終わって急に寒くなったとはいえ、考えてみれば今日始めてタイツを履きました。いつもなら11月に入るとほぼ同時に履くのですが、やはり暖かな傾向なのかも知れません。
この季節の風物詩?といえばやはり畑への糞尿散布ですね。これを堆肥を撒くという方もいますが、厳密には堆肥化したものを散布している農家の人は多くはありません。堆積してあった糞尿を撒いているだけです。(もっとも最近の糞尿は水分も高く堆積することすら出来ませんが)
広尾町の(有)ミックランデーリィさんでは今年、新型のマニュアスプレッダーを導入しました。最近よく見かけるタイプのもので散布効率が良いのだそうですが、ちなみにお値段700万円だそうで!
10月30日 未来の農業
いやぁー、日ハム引き当てましたね斉藤佑樹の入団交渉権、あとは本人が云々言わずに北海道へ来るのを待つだけですね。来年パリーグは一段と盛り上がること間違いないでしょう。
先日、農経部会10月の例会が開催されました。今月は先進農業技術を学ぼうということで自動化・ロボット技術の研究開発動向の話をうかがいました。
北大の野口先生からは「地理空間情報を基盤とした農業の自動化・情報化」のテーマで、日本農業の現状とロボットへの期待、GPS/GISを活用した自動化・ロボット化の動向、農水省委託PJで「農作業の軽労化に向けた農業自動化・アシストシステムの開発」”超”精密農作業ロボットシステムの項目に分け十勝のフィールドで実験を行ったことや、アメリカではすでに4割の農家がGPSを導入して営農を行っている実態を話されました。
続いて地元ズコーシャ総合科学研究所GIS推進室の榎本吉典さんからはGISを利用した化学肥料の削減・環境負荷低減を目的とした「自動可変施肥システム」についての実践例の報告が行われました。
この技術は無人ヘリコプターにより畑の上空から土の肥沃度を測定し、それをマップ化しPCと連動した施肥機で畑の場所によっての施肥量を加減し無駄な肥料を使用しないという技術です。
実験結果から収量は変わらずに3割の肥料を削減できた例もあるそうです。
余談ですがズコーシャの榎本さんは今年の夏から自転車お友達です。
農業生産現場ではすでにロボットを活用した搾乳や哺育作業が現実的に活用されてきており、必ずしも非現実的な話ではないという思いでお話を聞かせていただきましたが、GPS利用などに関してはアメリカと携帯電話などの電波に関する法律の違いもあり環境整備面からの問題もあるように感じました。世界一人件費の高い国で農業を行っている国だからこそ技術立国日本の力を農業の世界でも生かして欲しいものと思います。
7月4日 今年の1番牧草
昨日は、十勝支庁より1日現在の農作物生育状況が発表されました。6月の中旬まで続いた低温と降雨の影響で全ての作物の生育が1~4日の遅れが出ているようです。今後の好天に期待しましょう。
上士幌町の(有)ドリームヒルさんでは牧草収穫後の草地にスラリーインジェクターを使ってスラリーの散布作業が行われています。
今年の1番牧草の収穫も管内では、ほぼ終了に近づいているようです。6月中旬まで続いた不順な天候により相対的にはスタートが遅れたようですが低温が続いた影響か、それほど生育が進んでおらずそれほど刈り遅れといった様子では無さそうです。
昨年からの肥料価格の高騰と、良質な粗飼料を収穫する事を目的に当社取引先には適正な有機物の還元と減肥料を進めているのですが、結果的には相対的に良い結果が出ているようです。