9月2日 牛が草地を作る

本格的な収穫期の9月に入りました。まだ最終的な数字は出ていませんが既に終了した秋撒き小麦は十勝管内においては過去最高の収穫量になりそうです。実の量に比例して逼迫していた家畜の敷き料となる小麦わらもとりあえずはかなりの量が確保出来たようですね。

さて、今年は国連が制定した「国際土壌年」安定的な食料生産やそれに基づく貧困撲滅など我々のような一次産業に直接関わる者はもちろんのこと、社会経済的にも土壌について考えることはとても重要な問題なんですね。

そんな中、先日当社の取引先でもある上士幌町(有)十勝しんむら牧場さんにおいて「TheEarthCafe」国際土壌年企画「土と草と牛と」が開催されたので参加してきました。

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新村社長より牧場の概要説明の後、草地へ移動し帯広畜産大学の谷先生、㈱ズコーシャの丹羽農業技術士よりこの地の土壌の生い立ちの説明を受け、その後草地がどのように変化して行ったのかレクチャーを受けました。

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新村社長が牧場経営に携わるようになり放牧酪農を取り入れてほぼ20年、正確な土壌診断による肥培管理の結果、草の嗜好性の向上や土壌におけるミミズを始めとする小動物や微生物の多様化など明らかに草地に変化が出て来ました。

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特に興味深かったのがこの放牧地、決して人間が機械的に草地の維持管理を行った訳でもなく、俗に言う草地更進なども行わなくとも、ルートマットが殆ど形成されていなく、谷先生も驚いていたのが表層から80センチ程度まで牧草の根が下りていることでした。通常は30センチ程度しか牧草の根は下りないと言われていますのでこの放牧地が如何に生産性の高い草地になっているかと言うことがよく理解できます。

「ミルクジャム」で有名な(有)しんむら牧場さんですが、原料となる良質な生乳生産はこの草地と牧草が支えているんですね。正しくこれこそが「牛が作る草地」です。

 


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